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フォルテFC様 サッカー合宿× Yamabeering
DAY 2 「チームビルディング」

2025年11月29日と30日の2日間、南紀ウェルネスツーリズムが管理・運営する「上富田スポーツセンター」との連携により、特別なスポーツ合宿プログラムを実施しました。

大阪からコーチに連れられてやってきたのは、少年サッカーチーム「フォルテFC」の小学5〜6年生たち。天然芝や設備が整った上富田スポーツセンターをベースキャンプに、あえてそこから一歩踏み出し、普段のトレーニングとは全く異なる環境での身体作りに挑みました。身体感覚を磨くフィールドとしての「千品山(ちしなやま)」。拠点とフィールドが繋がることで生まれた、新しいスポーツ合宿の形を、デザイナーのちくりんがレポートします。

2025年11月30日。午前中に上富田スポーツセンターにて地元サッカーチームとの試合を終えたフォルテFCのメンバーは、再び千品山へと場所を移しました。この日の案内は、チームビルディングのファシリテーター・てっちゃんです。

てっちゃんのプログラムは、対面する数時間前からすでに始まっていました。午前中に行われたフォルテFCのサッカーの試合。てっちゃんはピッチの傍らで、静かに子供たちを観察していました。

「普段は高学年から大人までを対象にしていますが、プログラムを固定化することはありません。その日の参加者の様子を見て、何が必要かをその場で判断します」

コーチと子どもたち、そして子どもたち同士。ピッチ上の声掛けや、ふとした瞬間の関係性。どんなチームなのか、どんな課題を抱えているのか。てっちゃんは、子供たちの「今の状態」に合わせたメニューを、その場で組み立てていきました。

12:00|上富田スポーツセンター出発

昼食後、再びバスで千品山へ。

12:45|千品山(ちしなやま)に到着

前日と同様に山に入り、バスから歩いてスタディゾーンへ。移動中から、何が始まるのかという子供たちの期待感で空気が満たされていきます。

12:50|スタディゾーンにてゲームを取り入れた導入

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スタディゾーンで改めて自己紹介。誰よりも楽しそうに笑う姿、声の掛け方、安心感で子どもたちの緊張をほぐし、心をグッと掴むてっちゃんのテクニックはいつ見ても圧巻。まずは、軽いゲームからスタート。その際、てっちゃんは「自由にペアを組んで」と促します。

「誰と組むか」には、チームの人間関係が如実に現れます。てっちゃんは、今回はあえて無理に関係性を崩さず、子どもたちが心地よいと感じる「コンフォートゾーン」の中で進めました。関係性を崩さない(いつものメンバーで固まる)子は自己主張が強く、残ったおとなしい子達でグループを作ることが多いとか。一度関係性を崩しても、すぐ元の場所に戻りたがる。でも、あえて違うグループに属することで、自分の世界は広がります。ちなみに筆者は「残ったおとなしい子たちのグループ」に属しがちな子どもでした。

ペアでゲームを楽しんだ後、全員でティーピーシャッフル(丸太の上で整列する)をして遊びの中で関係性を崩し、再構築して、自分たちでコンフォートゾーンを広げていきます。「その経験は必ず日常に持ち込めるんです」とてっちゃん。大きな声を出して指示を飛ばす子、その場で指示を待って従う子、仲間をフォローする子、無邪気な笑顔が溢れる中、子どもたちそれぞれの性格が顕になっていきます。

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13:15|忍者ゾーンで山の地形を活かしたゲーム

その後、てっちゃんが山遊びのために開発した「忍者ゾーン」へ移動。ここでは千品山の地形そのものが教材になります。

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13:20|忍者ゾーン:木タッチ・タイムトライアルで発散

まずは、ピンクリボンで目印をつけた12本の木をタッチしながら駆け抜けるタイムトライアルを行います。この場所は緩やかな坂になっています。また、ピンクリボンはランダムに付けられているので、集中しないと見落としてしまいます。1日目のトレランの感覚を思い出しながら発散する時間を楽しみます。学校やグラウンドとは違う山の空気が、子供たちをリラックスさせていました。

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13:35|忍者ゾーン:トランプ探しゲームで戦略の格差を自覚

山の不整地を舞台に行われたのは、2グループに分かれての3回勝負。忍者ゾーンに隠されたトランプを探し出すというシンプルな遊びですが、ここにはグループの本質を問う仕掛けが詰まっています。
てっちゃんはあえて、グループ分けを子どもたち自身に任せました。 すると、目に見える形で二つの集団に別れたのです。「声の大きい子たちのグループ」と、「残ったおとなしい子たちのグループ」。
平坦なグラウンドなら、足の速さだけで勝負が決まるかもしれません。しかし、山では、条件は常に不平等です。この「やりにくさ」が、身体能力以上に「知恵」と「協力」を際立たせます。結果は、おとなしい子たちのグループが勝利しました。 彼らは自分たちの弱点を知っているからこそ、作戦を立て、役割を分担し、確実にトランプを回収していきました。一方で、声の大きいグループは苦戦を強いられました。 「自分ならフィジカルで勝てる」という根拠のない怠慢。個々の意見がぶつかり合い、一向にまとまらない指示。個人の能力は高くても、組織としてバラバラに動くことで、その力は半減していました。
「グループ」と「チーム」は何が違うのか、グループの中で、何がダメだったのかに気づいた子もいれば、気づかなかった子もいます。あるいは、気づいていてもグループの中でうまく声を上げられない子もいました。「小学5年生は、まだ自分の放つ言葉や行動の重さに気づきにくい時期です。でも、みんなが気づき、グループで共有できたら、良い方向に行きます。」

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14:10|忍者ゾーン:全員協力ゲームでグループからチームへ

サークル内の木を全員で守るアクティビティ。「自分だけ」が早くてもダメ、仲間が切り株につまずけば全員でカバーする。ここでは遊びを通じて「連携しなければ目的を達成できない」という、チームの本質を身体に刻み込んでいきました。

​筆者も、ここで初めてグループとチームは性質が違うのだと知りました。この体験は、社内研修や、仕事のプロジェクトチームでも使えそうだなと感じました!

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14:30|スタディゾーンに移動:少し自己開示の時間

最後は、スタディゾーンにて、輪になってブーブーゲーム。 ここでは、当てられた人がブーブーと声をあげたり、お尻を振ったりします。てっちゃんは、少し恥ずかしい姿を他者に見せることで、心理的安全性を生むきっかけを作ることができると言います。 その後、入れ替わりでペアを組み、お互いの良かった点を伝え合います。そのことでお互いを認め合う空気感が醸成されていきました。

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14:50|まとめ:山の経験を日常へ

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プログラムを終えて清々しい表情の子どもたちに、てっちゃんは最後にこう語りかけました。 「今日、遊びの中でできたことは、必ずサッカーや日常でもできる。不自由な環境で仲間と繋がった経験を、自分の力に変えてほしい」。

コーチのレビュー

「サッカーに必要な協力体制やコミュニケーション、仲間を思う気持ちをゲームに取り入れていたので、ボールに置き換えて練習出来ると思いました。遊び心は常に持ちたいです!」

「1人では出来ないが、チームの人が沢山関われば達成出来る喜びを選手は感じたと思います。互いに褒め合うこと、普段しないので本当に良い時間でした。」

「チームワーク強化や自身の影響度の確認に繋がった。」

てっちゃん|金 哲弘

心理学や教育学、プロジェクトアドベンチャーの知見をベースに、チームの関係性を再構築するファシリテーター。参加者の様子を見て、その場でプログラムを組み立てるライブ感溢れるプログラムが特徴。現在、自然の中でチームビルディングを伝えるインタープリターとして活躍中。

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プロジェクトアドベンチャー / インタープリター

てっちゃんの哲学

なぜ、千品山でチームビルディングを行うのか。それは、自然という非日常な環境が、参加者の心の扉を強制的に開くきっかけをくれるからです。いつものグラウンドではルールや役割に縛られがちですが、山で夢中で遊んでいるとついつい素の自分が出る。今回、小学5年生という『自分の内面を見つめ始める時期』の子どもたちと向き合い、彼らが『グループ』から『チーム(課題解決する組織)』へと変化するきっかけを掴んだ瞬間を見ることができました。ありのままの自分や仲間の存在を知って大切にするようになる。そこから、本当のチームワークが始まります。

先生方、指導者の皆様へ

てっちゃんがこのプログラムを一番受けてほしいのは、実は「学校の先生」です。 「ルールで子どもたちをコントロールするのではなく、子どもたちの状況を見て子どもたちの持つ力を信じて見守ってほしい。先生が実体験を通して改めて人とつながっていく過程を体験すれば、子どもたちの姿が違って見えてくると思います。そうすれば、学校は自ずと子どもたちの安心できる居場所になります。」

Yamabeeringは、スポーツチームの合宿はもちろん、組織の人間関係に課題を感じているすべてのリーダーにおすすめしたいプログラムです。

「関係性が、結果を変える。」 てっちゃんとともに、本物のチームを作る旅へ出かけませんか?

この記事を書いた人

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ちくりん/ローカルデザイナー

ヤマビリングの企画・広報を担当。登山を趣味としているが、実は文化系。そんな私が今回、苦手なスポーツ企画の密着取材&撮影&記録を担当しました。だからこそ伝えたい内容を抜粋してお届けしています。

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